北朝鮮発射実験 山崎統幕長「動向しっかり見極める」 2019年4月18日 15時29分

北朝鮮発射実験 山崎統幕長「動向しっかり見極める」
2019年4月18日 15時29分

北朝鮮の国営メディアが新型の戦術誘導兵器の発射実験を行ったと伝えたことについて、自衛隊トップの山崎幸二統合幕僚長は18日の定例の記者会見で、日本への直接の影響はないとしたうえで、「動向をしっかりと見極めていきたい」と述べました。

北朝鮮の国営メディアは、18日、国防科学院が新型の戦術誘導兵器の発射実験を行い、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が立ち会ったと伝えました。

これについて山崎統合幕僚長は、日本への直接の影響はないとしたうえで、具体的な事実関係については「事柄の性格上、答えを控える」と述べるにとどまりました。

そのうえで、北朝鮮の動向については、「アメリカなどと緊密に連携しながら必要な情報の収集と分析を行っている。今後、北朝鮮が核・ミサイルの放棄に向けて具体的にどのような行動を取るのかということが焦点なので、動向をしっかりと見極めていきたい」と述べ、引き続き注意深く見ていく考えを示しました。

「戦略兵器」と「戦術兵器」の違いは
軍隊が使用する兵器は、一般的に「戦略兵器」と「戦術兵器」の2つに分けられます。

このうち影響力が大きいのは戦略兵器で、核弾頭を搭載したICBM=長距離弾道ミサイルや爆撃機、それに強大な攻撃力を持つ空母など、相手国に決定的な打撃を与えるために使われます。

一方、戦術兵器は、戦場で相手の部隊や兵器に対処する場合など、主に局所的な攻撃に使われます。

北朝鮮の国営メディアが新型の戦術誘導兵器の発射実験を行ったと伝えたことについて、海上自衛隊の元海将で金沢工業大学虎ノ門大学院の伊藤俊幸教授は、「動く目標をねらう誘導ミサイルの発射実験だと思うが、『戦術』兵器と称しているので、アメリカはもちろん日本にも直接の影響はない通常の兵器だろう」と話しています。
専門家「元の北朝鮮に戻った」
北朝鮮に詳しい慶應義塾大学の礒崎敦仁准教授は、今回の新型の戦術誘導兵器の発射実験について「去年から米朝対話が進む中、アメリカへの挑発を表に出さないという北朝鮮としては異例の動きが続いていたが、元の北朝鮮に戻ったと感じている。
アメリカから譲歩が得られない以上、国内には国防力の強化を目指す強い指導者としてのメッセージを出し、アメリカに対しては不満を示すというメッセージなのではないか」と分析しました。

一方で、新型の戦術誘導兵器は長距離弾道ミサイルではなく通常兵器とみられることについては「アメリカとの交渉を破綻させることなく余地は残しておきたいので、アメリカが本気で怒るような核や弾道ミサイル実験までは行わないという北朝鮮なりの合理的選択だったのだろう」と述べました。

そのうえで、今後の見通しについては「今回の実験のみならず、今月に入ってからキム委員長の経済関連施設への視察なども久しぶりに再開され、さまざまな国内政治が元に戻る『正常化』が図られていると言える。今後も軍部隊への視察などの活動は活発化するのではないか」と述べ、今回のような発射実験を再び行う可能性も指摘しました。