朝鮮学校

朝鮮学校, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=54337 / CC BY SA 3.0

朝鮮学校

朝鮮学校(ちょうせんがっこう、)とは、朝鮮民主主義人民共和国を支持する在日朝鮮人組織である朝鮮総連の指導の元で運営されている各種学校。日本の学校教育法上は全ての学校非一条校に分類される。大韓民国を支持する在日韓国人、韓国人が通う韓国学校とは異なる。

学校の教育課程は日本に居住する朝鮮人を対象としている為、日本の学校制度(6334制)に合わせて幼稚班・初級学校・中級学校・高級学校・大学校が設置されており、とは異なっている。日本の法律上、これらの教育施設は全て私立学校法に基づく各種学校(学校教育に類する教育を行うもので、所定の要件を満たす教育施設)であり、教育基本法6条・学校教育法1条に基づいた「法律に定める学校」(一条校)には該当しない。朝鮮学校は全国各地に設置されているが、各校の運営は都道府県毎にされている学校法人(例えば、東京都であれば学校法人東京朝鮮学園)によって管理されており、校長の人事や教育内容の決定といった全体の運営に関わる事項は在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)中央本部および朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の支配政党である朝鮮労働党が事実上決定している。北朝鮮は、朝鮮学校に教育援助費と奨学金を送っている。

朝鮮学校は生徒及び教職員の日本語の使用を禁止しており、生徒同士の金日成一族への忠誠を示すための自己批判や相互批判をする週ごとにある生活総和で一度でも使用した生徒を吊し上げの対象としていた。公安調査庁によると、朝鮮学校では、北朝鮮の発展ぶりや金正日総書記の主体思想・先軍政治を称賛する教科書『現代朝鮮歴史』を使用しているほか、初級部4年生以上中級部3年生までの生徒を在日本朝鮮少年団(ピオネール)へ、そして高級部からは在日本朝鮮青年同盟(朝青)に義務的に所属させ、政治的活動への参加を呼び掛けたり金父子の「偉大性」を紹介するなどの思想教育を積極的に行っている。
朝鮮学校は、2013年に発生した張成沢粛清の事件後も、生徒121名からなる代表団を北朝鮮に派遣する事業を継続し、「私たちの朝鮮学校と朝鮮総連をお守りくださる金正恩元帥様だけに、地の果てまでもついていく。」「金正恩先生だけを頑なに信じる。」と宣言し、今後も民族教育のために独裁政権を支持するとの意思表示が朝鮮中央テレビによって配信された。在日韓国民主統一連合(韓統連)・主体思想派(韓国挺身隊問題対策協議会、略称「挺対協」)と連携。学校の運営では日本教職員チュチェ思想研究会全国連絡協議会や、日本人の金日成・金正日主義研究者と連携し、日教組や自治労傘下団体など日本人支援者も通じて日本の公職者・民間との交流を深めて都道府県と市区町村から手にいれた補助金など資金や新たな支援者を獲得してきた。日本で行われる北朝鮮のチームの応援には付近の学校単位で参加している。さらに対戦相手が日本の時でも北朝鮮側のスタンドで立ち上がって北朝鮮の国歌を歌ったり、北朝鮮の国旗を振り回して北朝鮮チームの応援をしている。

大韓民国を支持する民団新聞においては韓国学校と比較して「朝鮮総連学校」と記すこともある。 北朝鮮ではなく、韓国を支持する在日韓国人からは朝鮮学校は子供達に金日成・金正日・金正恩3代を崇拝させ、独裁と総連のために忠実に貢献する人材育成・奉仕させる「金日成民族教育」を行っていると指摘されている。

学校法人が設置しているものであるが、朝鮮学校は日本国内に居住する外国人をもっぱら対象とする教育施設とされている上に、文部科学省が定めるカリキュラムを満たしていないため、学校教育法による「一条校」ではなく各種学校として設置されている。

朝鮮学校の高級部(朝鮮高級学校)の課程を修了しただけでは、日本の大学入学資格は生じない。また、学歴上の高等学校卒と公的には認められない。ただし、法令の規定に基づいて各大学が個別に、「文部科学大臣の定めるところにより、高等学校を卒業した者、中等教育学校を卒業した者等と同等以上の学力があると認められる者」として、朝鮮学校の高級部(朝鮮高級学校)の課程を修了した者に出願資格を与えることがある。私立大学や公立大学は認めている学校が多いが、国立大学は近年まで認めていなかった。

だが、2003年8月11日の『文科省方針「大学入学資格の弾力化について」についての見解』によって、外国人学校卒業者が高等学校卒業程度認定試験を経ることなく、国立大学を受験する資格を認める方針が打ち出された。

また、中級学校卒業後の私立・公立高校への進学は都道府県教育委員会及び各私立学校の判断により認めているところが多い。ただ、朝鮮学校では高級学校までは進学させることを原則としている。また、かつては高級学校においても朝鮮大学校への進学を前提とした教育がおこなわれていたが、最近では日本の大学受験をめざす生徒のための教育もおこなっている。
特に広島朝鮮初中高級学校では、他の朝鮮学校・高級部(朝鮮高級学校)とは異なり、1990年より日本の公立の通信制高校への同時入学制度を独自に設け、高級部に通いながら、同時に広島県立西高等学校(通信制)の授業も受けることで、卒業時には日本の高校卒業資格の取得をしている。
2014年3月には愛知朝鮮中高級学校高級部がクラーク記念国際高等学校の通信制課程を取り入れ、同校卒業式でクラーク記念国際高校の卒業証書授与式が同時に行われたことを公式に明らかにした。

北朝鮮は1950年代後半から2017年までに朝鮮学校に対し計163回、総額480億599万390円の資金提供をおこなっており、2017年にも最高指導者の金正恩の名義で2億1880万円の「教育援助金と奨学金」を送金している。

また日本の地方自治体も独自の判断で朝鮮学校に資金提供をしている。日本政府は1949年10月12日に「朝鮮人の設置する学校の経営などは自らの負担によっておこなわれるべきで、国や地方自治体が運営資金を助成する必要は当然にない。」とする「朝鮮人学校処置方針」に関する閣議決定を行っているが、2009年(平成21年)度予算では全国の自治体が総額8億円以上の補助金を支給し、2014年(平成26年)度予算でも全国の18の道府県と114の市区町の計132の地方自治体が総額3億7200万円の補助金を朝鮮学校に支給した。2016年(平成28年)度予算案でも全国117の自治体で総額3億円超の補助金が計上されている。しかし北朝鮮からの支援の滞りによって朝鮮学校は資金難に陥っており、朝鮮学校関係者は地方自治体や日本政府にさらなる資金援助を強く求めている。2009年の事例では、埼玉県深谷市が市の財政悪化を理由として朝鮮学校への教育助成金の支出を中止していたが、朝鮮学校関係者の強い要請によって方針を撤回し最大で2倍になる教育助成金を朝鮮学校に支給することになったという経緯もある。

地方自治体の補助金は、神奈川県のように教育を受ける在日朝鮮人本人またはその家族に対する支援として支出する場合と、福岡県のように朝鮮学校を設置する学校法人に対して助成金を支出する場合がある。補助金の支給に対しては日本国憲法第89条の解釈問題(私学助成に関して「公の支配に属」することを緩やかに解しない立場)等から問題視する意見もあるが、判例上は違法とされていない。同時に、補助金の公布要件を新規に設けて支給を停止する地方自治体の決定についても、2017年時点の判例では「行政の裁量の範囲内」として認められている。

また、朝鮮総連は、外国人学校(民族学校)に対する寄付金を税制上損金扱いとしないことに異議を唱えているが、外国人学校を設置しているかどうかを問わず、学校法人に対する寄付について損金扱いが認められるためには、一定の手続きが必要とされている。

朝鮮学校の運営状況や実態に関しては、国連の社会権規約委員会が「委員会は、かなりの数の言語的少数者の児童生徒が在籍している公立学校の公式な教育課程において母国語教育が導入されることを強く勧告する。さらに委員会は、それが国の教育課程に従うものであるときは、締約国が少数者の学校、特に在日韓国・朝鮮の人々の民族学校を公式に認め、それにより、これらの学校が補助金その他の財政的援助を受けられるよう…