GSOMIA破棄の影響が早くも表れた!― 韓国軍、ミサイルの軌道を見失う ―

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2019年9月10日、朝鮮日報が伝えたところによると、韓国軍合同参謀本部は、午前7時ごろ、北朝鮮は、平壌北方の平安南道・价川付近から東に向け、2発の飛翔体を発射したと発表した。1発は330キロメートルを飛行し、残りの一発はそれより短いという。これまで韓国軍は、北朝鮮のミサイルについて、到達距離、到達地点、頂点高度の3つを発表し、一部で飛翔体の最高速度まで公開してきた。ところが今回は、到達距離のみを発表し、頂点高度と最高速度については口を閉ざした。これまでと発表の仕方が違うという、大きな異変がみられたのだ。しかも今回は、GSOMIA破棄発表の影響があり、韓国は日本から情報提供を受けていない。このため一部から強い不信感が広がると、韓国軍は、遅まきながら「頂点高度は50~60キロほど」という「推定値」を、非公式情報として、一部のメディアに公開した。韓国軍の関係者は「今回は確かに、日本から情報を得ていないが、米韓での情報共有プロセスには変化がない」と説明した。しかし朝鮮日報は社説の中で、「GSOMIA破棄により、日米韓の情報の共有が損なわれたせいで、情報収集が不十分となり、頂点高度を発表できないのではないか」と指摘した。そして、GSOMIA破棄の影響が早くも出たのではないかとの懸念を示したのである。一方、中央日報も、韓国のミサイル専門家、張泳根(チャン・ヨングン)航空大学教授の解説を引用し、「7月25日に北朝鮮が2発のミサイルを発射した時、韓国軍は、1発目は430キロ飛行し、2発目は正確に把握できなかった」「その後、射程距離を690キロと修正し、その翌日には2発とも、600キロと訂正した」「このような混乱が生じるのは、ミサイルの軌道を逃したということだ」「ミサイルが発射直後に地上付近にいるときは、韓国軍のグリーンパイン地上レーダーで捕捉できるが、高度が上がると見失うのだ」と指摘している。韓国軍の地上レーダーでは、地球の丸さ、曲率による死角だけでなく、上空にも死角があるということだ。ミサイルの高度が上がったとき、軌道を捕捉できるのは、近赤外線観測機能を持つ軍事衛星(情報収集衛星)しかない。そして、日米韓でこれを持っているのは、日本と米国だけだ。日本は、赤外線映像(ISR)解析能力のある衛星7基と、1000キロ離れた位置から弾道ミサイルをレーダー探知可能なイージス艦6隻、地上レーダー4基を備えている。これらを駆使する日本が、北朝鮮から発射されたミサイルの軌道を最も正確に捕捉できるのは当然だ。衛星を持たない韓国は、GSOMIAの破棄により、これら日本からの貴重な情報を直接受けることはできない。米韓同盟により、米国を経由すれば、日本の情報が得られると、韓国は考えているようだが。しかし、情報は、日本と米国が分析した上で、渡しても良いか取捨選択されるプロセスを経た後に届くため、情報量が減るだけでなく、時間的にも圧倒的に遅い。このような状況では、韓国はリアルタイムで、ミサイルの軌道を把握することはできない。ミサイルの軌道を見失った韓国が、ミサイルを迎撃できる道理はないのだ。ミサイルの迎撃は、空中にあるピストルの弾をピストルの弾で打ち落とすようなものだと比喩されることがあります。それだけに、ミサイルの軌道を、リアルタイムで精密に把握し、分析・予測することは、絶対不可欠なのです。しかし韓国は、GSOMIAの破棄により、その手段を失いました。2017年9月、韓国はミサイル迎撃システム THAAD を6基配備しています。しかし、これらの最新鋭設備は、宝の持ちぐされとなりそうです。